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推計課税と消費税仕入税額控除|推計課税でも消費税は控除できる?税務調査で問題となるポイントを解説


「推計課税になった場合でも、消費税の仕入税額控除は受けられるのだろうか」「税務調査で売上が推計された場合、消費税はどのように計算されるのだろう」と疑問に思う方は少なくありません。

個人事業主や中小企業では、帳簿や請求書などの保存状況によっては税務調査で推計課税が問題となるケースがあります。しかし、所得税・法人税と消費税では税額計算の仕組みが異なるため、「推計課税だから仕入税額控除も推計で認められる」と考えるのは誤りです。

ここでは、推計課税と消費税の仕入税額控除との関係について、国税庁の取扱いに基づいて分かりやすく解説します。

 
 

推計課税で売上が認定されても、仕入税額控除は原則として推計では認められません。


結論からいえば、所得税や法人税で推計課税が行われたとしても、消費税の仕入税額控除は原則として推計計算によって認められるものではありません。

消費税では、課税仕入れの事実を帳簿などによって確認できることが前提となっています。そのため、税務署が売上を推計して認定したとしても、その売上に対応する仕入れを「おそらくこれくらいあるだろう」と推計して仕入税額控除を認める制度にはなっていません。


所得税・法人税と消費税の違い
項目 所得税・法人税 消費税
売上の推計 合理性があれば認められる。 合理性があれば認められる
必要経費・損金の推計 合理性があれば認められることがある 仕入税額控除は原則として推計不可
根拠 質問検査権・推計課税の考え方 消費税法上の帳簿保存等の要件

つまり、所得税・法人税と消費税は別々に判断されることが重要なポイントです。

 
 

なぜ消費税では推計による仕入税額控除が認められないのか
 

消費税の仕入税額控除は、「実際に課税仕入れが行われたこと」と「その事実を帳簿等で確認できること」を前提とした制度です。

仕入税額控除は納税額を直接減少させる制度であるため、客観的な証拠による確認が重視されています。

そのため、

 
  • ・帳簿が存在しない
  • ・請求書等が保存されていない
  • ・課税仕入れの内容が確認できない
     
という場合には、実際に仕入れを行っていたとしても、その全額について仕入税額控除が認められるとは限りません。

また、インボイス制度開始後は、原則として適格請求書等保存方式が採用されているため、一定の場合を除き適格請求書(インボイス)の保存も重要な要件となっています。

税務調査では、「売上の計上漏れ」だけでなく、「仕入税額控除の適用要件を満たしているか」も重点的に確認されます。


 
 

税務調査で実際に問題となるケース
 

ケース1 売上除外が発覚した場合
税務調査で売上除外が判明し、売上金額が増額されたケースでは、その売上に対応する仕入れについて納税者から証拠資料が提出されない限り、仕入税額控除が自動的に増額されることはありません。


結果として、
  • ・売上だけ増える
  • ・消費税額も増える
  • ・仕入税額控除は増えない
     
という状況になることがあります。
 

ケース2 帳簿を保存していない場合
帳簿や請求書を十分に保存していなかった場合、税務署は銀行口座、取引先資料、売上台帳などから売上を推計することがあります。


一方で、仕入れについて客観的資料が確認できなければ、仕入税額控除が否認される可能性があります。
 

ケース3 現金商売で資料が少ない場合
飲食店や小売業など現金取引の多い業種では、レジデータや銀行入金額などから売上が推計されることがあります。


しかし、仕入伝票や請求書、帳簿が残っていなければ、消費税の控除が十分に認められず、追徴税額が大きくなることがあります。

 
 

「売上が推計されたなら仕入れも推計すべき」という考え方は認められるのか
 

納税者の立場からすると、「売上だけ推計して税額を増やすのであれば、仕入れも推計して公平に計算すべきではないか」と考えるのは自然です。

しかし、消費税法では、仕入税額控除は法律上の適用要件を満たした場合にのみ認められる制度です。

そのため、「通常この業種なら仕入率は○%だから」といった業界平均や利益率だけを根拠に仕入税額控除を認める考え方は、原則として採用されていません。

したがって、税務調査では売上だけが推計され、仕入税額控除は証拠不足として認められないケースも十分にあり得ます。

 
 

まとめ|日頃の帳簿・請求書の保存が最大の対策
 

計課税と消費税の仕入税額控除は、同じ「税務調査」で問題になる事項であっても、その考え方は大きく異なります。
 

所得税や法人税では、一定の場合に売上や所得が推計されることがありますが、消費税の仕入税額控除は、原則として帳簿や請求書などの保存に基づいて判断されます。

そのため、税務調査で売上が推計されたからといって、仕入税額控除まで推計で認められるわけではありません。

日頃から適切に帳簿を作成し、請求書や領収書、インボイスを保存しておくことが、不要な追徴課税を防ぐ最も重要な対策です。特にインボイス制度開始後は、適格請求書の保存要件も加わっているため、証憑管理の重要性はこれまで以上に高まっています。

 

 

FAQ(よくある質問)
 

Q1. 推計課税とは何ですか?
A. 納税者の帳簿や資料だけでは所得や売上を正確に把握できない場合に、税務署が取引実態や銀行口座、同業者比較などの客観的資料を基に課税標準等を認定する方法です。
 

Q2. 売上が推計された場合、仕入税額控除も自動的に増えますか?
A. いいえ。消費税の仕入税額控除は、課税仕入れの事実と帳簿等による保存要件を満たす必要があるため、原則として推計では認められません。
 

Q3. 領収書や請求書がない場合でも控除できますか?
A. 保存要件を満たさない場合は、仕入税額控除が認められない可能性があります。「推計課税になった場合でも、消費税の仕入税額控除は受けられるのだろうか」「税務調査で売上が推計された場合、消費税も同じように計算されるのではないか」と疑問に思う方は少なくありません。
個人事業主や中小企業では、帳簿や請求書などの保存状況によっては税務調査で推計課税が問題となるケースがあります。しかし、所得税・法人税と消費税では税額計算の仕組みが異なるため、「推計課税だから仕入税額控除も推計で認められる」と考えるのは誤りです。

 

 

 

2026年08月13日 10:15

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