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元国税調査官の平野雅史が、国税局・税務署で30年以上にわたる調査業務経験を活かし、あなたの不安を安心に変えるサポートを提供します。

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税務調査で黙秘権は使える?質問に答えないとどうなるのかを税理士が解説

「税務調査で答えたくない質問には黙っていてもいいのか?」

「刑事事件のように黙秘権はあるのか?」

「調査官の質問に答えなかったらどうなるのか?」

税務調査の連絡を受けると、このような疑問を抱く方は少なくありません。特に個人事業主や企業経営者にとって、税務調査は日常的な出来事ではないため、不安を感じるのは当然です。

テレビやニュースで「黙秘権」という言葉を耳にする機会はありますが、税務調査でも同じように黙秘できるのでしょうか。結論からいえば、税務調査と刑事事件では制度が大きく異なります。正しい知識を持たないまま対応すると、かえって税務署の疑念を招く可能性もあります。

 

税務調査に刑事事件のような黙秘権はない


税務調査では、刑事事件で認められているような黙秘権は原則として認められていません。

税務調査は犯罪捜査ではなく、適正な課税を行うための行政上の調査です。国税通則法では、税務職員に質問検査権が認められており、納税者には調査への協力が求められています。

質問検査権とは
質問検査権とは、税務署職員が納税者に対して質問を行ったり、帳簿書類の提示や提出を求めたりできる権限です。
例えば、
 
  • ・売上の内容
  • ・外注費の内容
  • ・預金の入出金
  • ・現金取引の実態
  • ・取引先との関係
などについて説明を求められることがあります。

 

正当な理由なく回答を拒否するリスク


税務調査における質問検査権については、国税通則法第74条の2以下で規定されており、正当な理由なく質問に答えなかったり、帳簿書類の提示を拒否したりした場合には罰則が設けられています。

罰則の根拠
国税通則法第128条では、次のような行為をした者に対して罰則が規定されています。
 
  • ・税務職員の質問に対して答弁しない
  • ・虚偽の答弁をする
  • ・検査を拒む
  • ・帳簿書類その他の物件の提示や提出を拒む
  • ・虚偽の記載をした帳簿書類を提示する
     
などです。

罰則の内容
正当な理由なくこれらの行為をした場合、

1年以下の懲役または50万円以下の罰金

に処される可能性があります。

ただし、実務上はいきなり刑事罰になるケースはありませんが、税務調査が円滑に進まなくなるだけでなく、税務署側の疑念を強める可能性があります。

 

なぜ税務調査では黙秘権が認められていないのか


税務調査で黙秘権が認められていない理由は、税制度が申告納税制度を前提としているためです。

申告納税制度の仕組み
日本の税制では、納税者自身が所得や税額を計算して申告します。

そのため税務署は、
 
  • ・申告内容が正しいか
  • ・売上計上漏れがないか
  • ・経費計上が適正か
     
を確認する必要があります。

もし納税者が自由に回答を拒否できるのであれば、適正な課税を実現することが困難になります。

 

税務調査は刑事手続ではない


刑事事件では憲法上の黙秘権が保障されています。

一方で一般的な税務調査は行政調査であり、逮捕や刑事責任を追及する手続ではありません。

そのため刑事事件と同じ権利構造にはなっていません。

 

答えられない質問もある」という反論について


納税者側からすると答えられない質問がある場合もあります。

例えば、
 
  • ・記憶が曖昧な取引
  • ・古い取引内容
  • ・資料が残っていない事項
     
などです。

しかし、このような場合に無理に説明する必要はありません。

分からないことは正直に伝える
事実が不明な場合は、

「現時点では記憶がありません」

「資料を確認して後日回答します」

と説明する方が適切です。

曖昧な説明や事実と異なる説明を行う方が後のトラブルにつながります。

税理士を通じて対応する方法
税務調査では税理士が立ち会うこともできます。

専門家が同席することで質問の意図を整理し、適切な説明を行いやすくなります。

特に経営者が感情的になりやすい場面では有効です。

 

税務調査で重要なのは黙ることではなく適切に説明すること


税務調査では「黙秘するか答えるか」という二択で考えるべきではありません。

重要なのは事実に基づいて適切に説明することです。

そのため説明できない取引が多いほど調査官の追及は厳しくなり長期化しやすくなります。

適正な経理処理が行われていれば、必要以上に恐れる必要はありません。

 

まとめ


税務調査では刑事事件のような黙秘権は原則として認められていません。税務署には質問検査権があり、納税者には調査への協力が求められます。

ただし、分からないことまで無理に回答する必要はありません。事実が不明な場合は資料を確認したうえで回答することが重要です。

税務調査で求められるのは沈黙ではなく、事実に基づく説明です。日頃から帳簿や証拠書類を整備し、必要に応じて税理士のサポートを受けることが、円滑な税務調査対応につながります。

 

FAQ(よくある質問)


Q. 税務調査で黙秘権はありますか?
一般的な税務調査では刑事事件のような黙秘権は認められていません。税務署には質問検査権があります。

Q. 税務署の質問に答えなかったらどうなりますか?
正当な理由なく回答を拒否すると、税務署の疑念を招き、調査が長期化する可能性があります。

Q. 分からないことも必ず答えなければなりませんか?
分からない場合は無理に回答する必要はありません。資料を確認したうえで後日回答することが適切です。

Q. 帳簿の提出を拒否できますか?
税務調査では帳簿や資料の提示を求められることがあります。正当な理由なく拒否することは望ましくありません。

Q. 税理士に対応を任せることはできますか?
税理士が立会いを行い、調査官とのやり取りをサポートすることは可能です。専門家の同席によって適切な対応がしやすくなります。

 
2026年07月02日 14:07

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