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元国税調査官の平野雅史が、国税局・税務署で30年以上にわたる調査業務経験を活かし、あなたの不安を安心に変えるサポートを提供します。

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税務署はどこまで納税者の情報を把握しているか|税務調査で見られている情報を税理士が解説

「税務署は銀行口座まで見られるのか?」

「副業やネット収入は把握されているのか?」

「申告していない所得は見つかるのか?」

このような疑問を持つ個人事業主や企業経営者は少なくありません。

税務署には強い調査権限がありますが、すべての取引をリアルタイムで把握しているわけではありません。一方で、金融機関、取引先、行政機関、海外の税務当局などから提供される情報を通じて、多くの情報を収集できる仕組みが整備されています。

そのため、「税務署には分からないだろう」という考えで申告漏れや売上除外を行うと、後日発覚する可能性があります。

 

税務署は想像以上に多くの情報を把握している


結論からいうと、税務署は納税者の収入や取引に関する多くの情報を把握できる立場にあります。

特に次のような情報は税務署に集まります。

給与所得の情報
会社が提出する源泉徴収票給や給与支払報告書により、従業員の給与額は把握されています。

報酬や外注費の情報
税理士、司法書士、講演料、原稿料など一定の報酬については支払調書が提出されます。

不動産取引の情報
不動産の売買や賃貸に関する支払調書も税務署へ提出されます。

金融機関の情報
税務調査が行われた場合、税務署は法律に基づいて預金口座の取引内容を確認できます。

海外口座の情報
現在はCRS(共通報告基準)により、海外金融機関の口座情報が各国税務当局間で交換されています。海外口座だから把握されないという時代ではありません。

 

なぜ税務署は多くの情報を把握できるのか


税務署が情報を把握できる最大の理由は、「法定調書制度」と「税務調査権限」があるためです。

法定調書制度

企業や金融機関などには、一定の支払内容を税務署へ報告する義務があります。

代表例として、
 
  • ・給与所得の源泉徴収票
  • ・報酬等の支払調書
  • ・不動産関連の支払調書
  • ・配当や利子の支払調書
     
などがあります。

税務署はこれらの情報を蓄積しており、確定申告の内容と照合できます。

税務調査権限

税務調査権限により、
 
  • ・預金取引口座、証券取引口座
  • ・戸籍謄本、住民票の異動履歴、家族状況、住民税の課税状況
  • ・固定資産台帳、登記簿謄本、商業登記簿謄本
  • ・海外渡航歴
  • ・国内の暗号資産交換所を使った取引(近い将来海外交換所も)
     
などの多くの情報を把握しています。

マイナンバー制度

マイナンバーの導入により、提出される法定調書や各種税務資料との照合がより効率化されています。

ただし、現在のところマイナンバーだけで個人の全資産が自動的に閲覧されるわけではありません。

 

実際に税務署が申告漏れを把握するケース


税務調査でよく見つかる事例を紹介します。

売上除外

建設業や飲食業などで現金売上を除外していたケースです。

調査官は、
 
  • ・銀行入金
    ・会計伝票
  • ・請求書、領収書
  • ・売掛金残高
     
などを照合します。

申告売上と預金の動きや証憑類の内容が一致しておらず整合性がなければ疑問点として確認されます。

売上先から情報が判明する

自社では申告していなくても、売上先が外注費として計上している場合があります。

反面調査によって取引先の帳簿から売上が判明することもあります。

不動産売却益の申告漏れ

不動産会社や登記情報などから取引の存在が把握されることがあります。

海外資産の申告漏れ

海外証券口座や海外預金口座の情報も国際的な情報交換制度によって把握されるケースがあります。

 

「税務署は全部把握している」は本当か


「税務署はすべての取引をリアルタイムで把握している」という話は誤解です。

税務署にも人員や時間の制約があります。

そのため、
 
  • ・全納税者を常時監視しているわけではない
  • ・すべての銀行口座を常時閲覧しているわけではない
  • ・すべての現金取引を即座に把握しているわけではない
     
という点は理解しておく必要があります。

しかし、税務調査が始まれば非常に広範囲の情報収集が可能になります。

つまり、

「普段は見ていない」



「調査になったら確認できる」

は全く別の話です。
 

申告していなければ分からないのでは?という考えは危険


「現金だから分からない」

「副業だから見つからない」

「少額だから大丈夫」

という考えで申告漏れをしてしまう人もいます。

しかし実際には、複数の情報源から事実関係が把握されることがあります。

税務調査では過去数年分まで遡って確認されるため、申告漏れがある場合は本税だけでなく加算税や延滞税の負担が発生する可能性があります。

 

まとめ


税務署は納税者の情報のすべてをリアルタイムで把握しているわけではありません。しかし、法定調書、金融機関情報、取引先情報、不動産情報、海外口座情報など、多くのデータを収集・照合できる体制を整えています。

特に税務調査が始まると預金や取引の流れを詳細に確認できるため、「申告しなければ分からない」という考えは危険です。

個人事業主や企業経営者は、正確な帳簿作成と適正申告を継続することが最も有効なリスク対策といえるでしょう。

 

FAQ(よくある質問)


Q. 税務署は銀行口座を自由に見ることができますか?
多くの場合、通常時に自由に閲覧しているわけではありません。ただし税務調査が行われた場合は、法律に基づいて金融機関へ照会し、取引内容を確認することができます。

Q. 副業収入は税務署に把握されますか?
取引先の支払調書、銀行口座の入出金、プラットフォーム事業者からの情報などにより把握される可能性があります。

Q. 海外口座は税務署に知られませんか?
現在はCRSによる国際的な金融口座情報交換制度があるため、海外口座でも把握される可能性があります。

Q. 現金商売なら売上を隠せますか?
現金取引であっても預金、仕入、在庫、取引先資料などから売上が推計されることがあります。税務調査で発覚するケースは少なくありません。

Q. マイナンバーで全財産が把握されていますか?
マイナンバーだけで個人の全資産を自動的に閲覧できるわけではありません。ただし各種税務資料との照合は効率化されています。


 
 
2026年07月16日 13:22

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